ポプテピはアニメじゃない、とは言わないけれど。
「ポプテピはアニメじゃない」アニメ大好き芸人・ハライチ岩井が『ポプテピピック』大絶賛の風潮に反論*1
完全に理解できているかわからないけど、雰囲気は理解した…かな。
シュールをやりにいっちゃいけないんですよ。シュールをやりにいったら、ネタとか劇とかできない。
たとえば舞台があります、何時に劇場に集合してくださいって言って、みんなでそこの劇場に行かずに、蕎麦屋で蕎麦を食べている。これがシュールです。そこに行って、演劇をやっている時点でシュールじゃない。
なんとなく、言わんとしていることはわかる…ような、気がする。
アニメ1話で印象に残っているのは、あんた名は、クロノトリガー、トトロ、あたりだ。そのあと原作漫画を買ったけれど、これらのネタ全部なかった。2話の勇者ネタも無い。料理ネタは何回かあるけれど「ポプテピクッキング」とセリフにあったのは1度きり。推理ドラマやホラーは影も形もない*2。
たぶん原作既読の人にとっては「こんなのねーよw」というネタとして受け取られたのだろう。星色ガールドロップ同様「無いものをあるように見せる」というネタともとれる。一方、「原作が面白いからアニメ化した」という視点で見た場合、その面白さをトレースしていない、ともとれるわけで。何でもアリ、パロディ多め、(誉め言葉の)クソである、という共通点、方向性の一致はあるけれども、原作を台本に演出・再構成したものとは異なる。「シュールをやりにいったら、ネタとか劇とかできない。」はこれを指して言っているのかなと。わけがわからない闇鍋をやるためには、わかってるものを出すと合わない、というか。
最終回に有名(?)な「竹書房ゥァア゛ーッ」がそのままの形で出てこなかったのも、台本に沿ったらシュールにならない為なのかもしれない。
声優を楽しむというのも、漫画には存在しない楽しみ方である。まあそれは他のアニメでも同様だけれど「役に合っている」「合っていない」という軸での評価ではなかった。「男声かよ!」とか、パロディを元ネタの声優がやってしまった*3とか、そういう方の面白さだった。ボブネミは原作にわりと忠実だけれど*4、どちらかというと台本よりも絵の面白さでウケている。ゲームネタを本当にドットにするのや、料理ネタを本当にTV番組風にするのは「実際にやってみた」系に見える。原作漫画はパロディを多く含むが、アニメはパロディ漫画のパロディになっていたのかもしれない。「才能の無駄遣い(有効活用)」「プロの犯行」に近い概念というか、なんというか。
一番原作に忠実で長いネタは、星色ガールドロップのオープニングだったのではないか、そんな気すらしてくる*5。
かといって、原作無視してるから原作と関係ないのでは無いか、と言うとそうでもなく。
ポプテピピックがオリジナルアニメだったら、たぶん星色ガールドロップは使えないなとか。ヘルシェイク矢野も原作に数コマという前提でのネタだよなとか*6。
まあ4コマを30分アニメにする時点で、原作に忠実なアニメというのは無いんでしょうけどね*7。